美容のためのお灸という記事を紹介します。
雑誌クロワッサンのなかで鍼灸師の柳本真弓さんがお灸についてお話しているので転載させていただきます。
「東洋医学では気血が正常に流れることで健康が維持できるという考え方があります。気血が滞るとカラダが冷え、内臓がうまく働かず、免疫力が低下したり筋肉や関節の痛みが出るのです。もちろん肌にも、影響が出ます」
こんなときは、お灸で体内の熱エネルギーや元気を高めるのが有効、と柳本真弓さん。乾燥やハリ、弾力がない、冷たくてゴワついている・・・。そんな肌悩みもリセットできるという。
「加齢による衰えはエネルギー不足の状態と考えられるので、加齢によるシワやたるみにも効果が期待できます。2~3日に1度、定期的に続けるとよいでしょう。また、即効性と持続力があるので、同窓会などのイベントがある前日には、ぜひ」
お灸は熱くて怖いというイメージがあるけれど、いまはもぐさが肌に直接ふれずに、ほんのり温かさが伝わる台座付きのものが多く市販されている。手の届きにくい肩や背面用の棒灸もあるので、自宅で一人でも簡単にお灸がすえられる。でも、ツボを正しく探し当てるのは素人には難しいのでは?
「ツボの周囲には、似た作用のツボが集まっています。だから、ピンポイントではなく、数センチ大のエリアで捉えれば大丈夫。初めは一番冷えやすい足から1日に3、4個が目安。慣れてきたらほかの部位にもすえてみましょう。今日は腰、明日は腕、など部位を変えると続けやすいです」
チリチリと熱さを感じたら、はずす。煙が消えて、台座が冷えてもまだ熱さを感じないようなら刺激が充分でないので、熱さを感じるようになるまで、2個、3個と続けてすえる。
お灸はリラックス効果を促すので、寝る前が理想。食後で満腹のときは、消化のため胃腸に血液が集中してしまうのでもったいない。
「体が冷えると肌は乾燥してカサつきやゴワつきが出ます。お灸はもぐさの作用で保湿ケアにもなるので、踵や指先のひび割れにもいいですよ」
肌機能の回復と加齢によって出てくる肌悩みの予防にもなるお灸。体調を整えながら美肌にも役立ち、一石二鳥。
― 以上転載
もう一つ、「美容お灸」 (せんねん灸お灸ルーム著) という本の一部を抜粋します。
東洋医学では、体の中を「気」「血」「水」がめぐっていると考えられています。「気」は元気・陽気・活気などの生命活動の原動力。「血」は血液で、全身に栄養分や酸素を送ります。「水」はリンパ液や唾液、尿など体内にある水分で、体表や体内の臓器を潤します。
「気・血・水」は、「経絡」という道を通って体じゅうを網の目のように走り、内臓のすべてをつなぎながらめぐっています。「気・血・水」は、体のさまざまな臓器のバランスを保つために欠かせないものなのです。
ところが、体の中のある部分の働きが弱くなると、「気・血・水」の流れが滞ったり不足して体全体のバランスが崩れてしまい、痛みやつらさを伴う症状に悩まされたり、美しさが損なわれるようになります。この「気・血・水」の流れが滞った場所に、「ツボ(経穴)」が現れます。ツボは経絡の通り道にある臓器に故障が起きると現れますが、逆に「気・血・水」の流れが滞ったために、関連する臓器が不調になることもあるのです。
ここでお灸が威力を発揮します。現れたツボにお灸をすると、湿熱が体に浸透し、気の滞りをなくし、不足していれば補って症状を改善してくれるのです。ツボは不調を知るサインであると同時に、不調を治療できる場所でもあるのです。お灸は弱った体にモグサ(草餅に使うヨモギの葉裏の綿毛をあつめたもので、薬用成分があり、炎を上げずに燃えて温度もさほど高くならない)の自然の恵み(生命力)を温熱として補う治療法です。小さなツボをあたためることで、経絡を通じて体全体をあたため、さらには体質そのものを変えていくこともできるのです。
肌にうるおいがないとき、もっとハリが欲しいと思うときに、女性は美容液を塗ります。でも、これはあくまで「外から与えられた」もの。一方、お灸は経絡を通って体の中をめぐり、「気」「血」「水」が多いところは少ないところに回したり、逆に少ないところは多いところからもらったりして、体のバランスを整え、めぐらせることで肌に潤いを与えます。
「外から」ではなく、自分の力で内側から出る美しさを作っていくのがお灸の魅力。「体の中から女性を美しくしていく」ものであり、高価な美容液より安価なうえに、健康も手に入ってしまうお得な美容法なのです。
一粒のお灸をする時間はたったの5分。その時間を毎日自分の体を見つめるために使いましょう。
― 以上 抜粋
お灸は久しい火と書きます。気の向いたときでいいので長く続けることが大事かと思います。気の向いたときがお灸の必要なときなのかもしれないですね・・・。