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他の生物を「消化する」とは


生物学者の福岡伸一先生のコラムをご紹介します。

お正月のおせち料理やお雑煮はしっかりかんで食べましょう。消化がよくなるように。消化とは、食べ物を細かくして栄養を取り込みやすくする作業だと思っていませんか。実は、消化のほんとうの意味はもっと別のところにあるんです。

食べ物は、動物性でも植物性でもそもそもは他の生物の一部。そこにはもとの持ち主の遺伝情報がしっかりと書き込まれている。遺伝情報はたんぱく質のアミノ酸配列として表現される。アミノ酸はアルファベット、たんぱく質は文章にあたる。他人の文章がいきなり私の身体に入ってくると、情報が衝突し、干渉を起こす。これがアレルギー反応や拒絶反応。

それゆえ、元の持ち主の文章をいったんバラバラのアルファベットに分解し、意味を消すことが必要となる。その上でアルファベットをつむぎ直して自分の身体の文章を再構築する。これが生きているということ。つまり消化の本質は情報の解体にある。

食用のコラーゲンは魚や牛のたんぱく質。食べれば消化されてアミノ酸になる。一方、体内で必要なコラーゲンはどんな食材由来のアミノ酸からでも合成できる。だからコラーゲンを食べれば、お肌がつやつやになると思っている人は、ちょっとご注意あれ。それは、他人の毛を食べれば、髪が増えると思うに等しい。

― 以上転載

こんなクールな食の解説はいままで読んだことがなかったのでなかなかのインパクトがあります。「もとの持ち主の遺伝情報」がいろいろ加工されてメチャクチャになっているものよりは出どころがはっきりしているシンプルなもののほうが良さそうですよね・・・。しばらくは、食べるときに「こいつの遺伝情報は・・・」なんて考えてしまいそうです(笑)。


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