先日の新聞記事より。
手術をしなくても治るタイプの乳がんの見極めに役立つ遺伝子を、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)のチームが発見した。乳がん患者の5%程度で手術が不要になる可能性があるという。横浜市で開催中の日本癌学会で29日、発表する。
同院の向井博文・乳腺・腫瘍内科医長らは2012年に臨床試験を開始。HER2というたんぱく質が多くあり、ホルモン療法が効かない乳がん患者に抗がん剤などの化学療法をした。半数で乳房の摘出手術前にがんが完全に消えていて、このグループでは「HSD17B4」という遺伝子の働きが抑えられていることを明らかにした。21年の実用化を目指しているという。国立がん研究センターの推計では、17年に乳がんの診断を受けるのは約9万人。向井さんは10~15%の患者が検査対象となり、5%程度の4500~5000人が手術を受けずにすむと見込む。