水道水やボトルウォーターから微小プラスチックが検出されたとの記事が出ていますのでスクラップしていた記事をご紹介します。
「微小プラごみ 海汚染。魚・鳥の体内に・・・化学物質の影響、未解明」
「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さなプラスチックごみが世界の海に広がっている。魚や鳥の体内から汚染物質とともに確認され、生態系への影響が心配される。日本周辺の海域は特に多く、対策が求められる。
身近な魚がプラスチックを食べていた。
2015年、東京湾のカタクチイワシを東京農工大の高田秀重教授が調べたところ、64匹のうち49匹から計150個のマイクロプラスチックが見つかった。主に石油由来のポリエチレンやポリプロピレンの破片で、1ミリ以下の大きさが多く、エサのプランクトンと一緒に取り込まれたとみられる。
マイクロプラスチックは一般的に、大きさが5ミリ以下を指す。海に流れ出たペットボトルなどのプラスチックは、紫外線や波、昼と夜の温度差に海水といった厳しい環境にさらされて劣化し、小さくなる。製品になる前のプラスチックの粒「レジンペレット」や、研磨剤として化粧品などに入っていた「マイクロビーズ」もある。
心配されるのが化学物質の影響だ。製品にするときに加えられた難燃剤や、海水中に漂うPOPsと呼ばれる分解しにくい汚染物質などが付着している恐れがある。それが体内で吸収、蓄積され、食物連鎖でさらに濃縮される可能性もある。「ムール貝や二枚貝、海鳥や動物プランクトンなどからもマイクロプラスチックが見つかっている」と高田さん。
「今のところ汚染物質の摂取量も少ないので、そういった魚を食べても影響は見られない。ただ、ものすごく量が増えたときに、内分泌系や免疫系に異常をきたさないか、どんなことが起こりうるかを研究している段階」と話す。
九州大の磯辺篤彦教授は「もはやマイクロプラスチックが浮遊していない海はない」と話す。
世界経済フォーラムの報告書によると、世界のプラスチックの年間生産量は1964年の1500万トンから、2014年には3億1100万トンと20倍以上に増えた。ただ、年約800万トンが海に流れ出ているとされ、報告書は「このままだと、50年までに重量ベースで世界の魚の量を上回る」と警告する。
環境省の調査でも日本の各海でマイクロプラスチックが見つかっている。特に、日本海北部や東北の太平洋側、九州周辺で多い。陸から海に流れ出たプラスチック量の上位をアジアの国が占めており、東アジア(日本周辺)海域1平方キロあたりの数は172万個で、世界の27倍の水準だ。磯辺さんは「東アジアは『ホットスポット』になっている。世界で初めに影響が出る海域かもしれない」と話す。
マイクロプラスチックは海面付近に浮くものだけではない。生物皮膜に覆われると重くなるが、大きさ1ミリ以下は沈みやすいとされ、海底にはさらに多くが堆積しているとみられる。
対策はどうか。専門家たちは「とにかく環境中に出さないことが重要」と強調する。いったん海に出てしまうと回収はほぼ不可能だからだ。
欧米では数年前から対策が動き出した。米国やカナダ、英国などは、化粧品や洗浄剤などへのマイクロビーズの使用禁止を決めた。フランスは、プラスチック製の使い捨て容器や食器の販売を禁止する法律をつくった。欧州連合(EU)は、加盟国にレジ袋削減計画の策定を義務づけ、25年までに1人年40枚まで減らすことを目標にする。
日本は、日本化粧品工業連合会が会員企業に洗顔料などへのマイクロビーズの自主規制を呼びかけるにとどまり、対策は企業任せになっている。
九大の磯辺さんは言う。「生きものへの影響は現時点ではわからないが、今から取り組まないとダメージが顕在化したときには手遅れになってしまう。自然界で分解される新素材の開発や、欧米のような法規制などの対策が必要だ」
― 以上抜粋
魚(の油)は人のカラダに良い影響を与えてくれる重要な食物なので非常に悲しい現実だと思います。生き物への影響は現時点ではわからない・・・。化学物質には色々考えさせられます・・・。